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#004 - 手に入らないものは、ほとんどない。

  voice of KYOTO 独自インタビュー企画

voice -inside- vol.4 くずし割烹 枝魯枝魯 枝國栄一




枝魯枝魯編 | #004 - 手に入らないものは、ほとんどない。 


Paris での取材の翌日、
4月19日に食事を頂くことにした。

はじめて、枝國が一から仕込んだ料理を口にする。


その日のコースは、全9品。
揚げた小イモの旨味がクセになりそうな【先附】に始まり、
ほうじ茶のアイスクリームの添えられた【デザート】でしめられた。

うすいえんどうの豆腐などを盛り付けられた【前菜】は、
その器があってこそ。
主張しない濃紫の塗りの器は、
落ち着いた色目の前菜を主役へと引き立てる。

一転して、落ち着いた目に飛び込むのが朱塗りの椀。
色鮮やかな椀のフタをあけると、
枝豆だろうか?瓢箪の形をした柄が大胆に描かれている。

ここでは器が主役のように感じるが、
目には見えないしんじょうのすり身についてに、
あえて思いを巡らせるのも【椀物】の楽しみ方としては悪くない。

続いて出て来たのは【お造り】。


「お造りなら3種まで。」

京都で取材した際に口にしていた通り、
お造りは赤み、トロ、鯛の三種盛りだ。

トロはわさびで、マグロの赤みと鯛は
ごぼう醤油で頂く。

普通なら鯛から頂きそうなところだが、
わさびを添えてトロをまず最初に。

続いて鯛をごぼう醤油で。

なるほど、知らずのうちに、
食べる順までくずされている自分に気付く。

ただの醤油であったなら、
当たり前に食べたことだろう。

鮮度を感じる、
それぞれの切り身の艶もさることながら、
螺鈿のあしらわれた器の美しさにも目を奪われる。

味覚だけでなく、視覚にも鮮度を忘れない、
そんな心意気を感じる。

切り身の下には、大根ではなく、
小松菜だろうか?丁寧に刻んである。

家庭ではこんなところにまで手を施さないだろう。


【お凌ぎ】にはフォアグラのお寿司。
何に使われるのか?と楽しみにしていた、
太極図を思わせるような器には、
昨夜の仕込みで目にしていた
ミントで香りづけされた大根が添えてある。

ここまででも十分に視覚、嗅覚、味覚ともに楽しめるだが、
五感へのアプローチは、とどまることをしらない。

じっくり煮込んだ【煮物】が盛られるのは、芥子色の器。
筆で描かれたようなネギのソースがアクセントになって、
味だけでなく目にも彩りを与える。

添えられた、中華風蒸しパンを手に取って、角煮を包んで頂く。
手に伝わる温もりが、食べる前から角煮の旨味を引き立てる。

味の濃度が極限に達したところで、
【お口直し】に出てきたのはすだちのゼリー。

淡い桜色に渦まいたカップと、
すだちの酸味を閉じ込めた無色のゼリー。

ほのかな酸味が、味覚を整えてくれる。


しめの【食事】としてのおじやは、
小ぶりのレンゲで、食べたい分だけ少しずつ頂く。

あられの食感が単調になりがちなおじやに、
リズムを与えてくれるようだ。



一通り食事を頂いてみて、
あらためて京都と変わらない「枝魯枝魯」のもてなしに驚く。

Paris 用にアレンジされた感を一切与えない、
日本と変わらぬ味・食感が最後まで続いた。

枝國が、ブログや昨日の取材の中で、
ここ Paris では手に入らないものはないと言っていたが、
まったくその通りだった。

しかし、一方で複雑な気持ちが込み上げのを覚えた。
京都と変わらないものを、Paris で口にすることの意味とは何か。

昨夜の取材で枝國は、
ギリギリまでメニューを決めるのを粘ったと言っていた。

そこにはどのような思考錯誤があったというのだろうか。


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