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#005 - 孤軍奮闘

  voice of KYOTO 独自インタビュー企画

voice -inside- vol.4 くずし割烹 枝魯枝魯 枝國栄一




枝魯枝魯編 | #005 - 孤軍奮闘 


Paris での食事を見せると、
松本も、彼女も、口を揃えて言った。

「枝魯枝魯の看板料理ばっかりや。」

ごぼう醤油もしかり、白みそで煮込まれた角煮もしかり。

4月18日のオープンから5月3日までに出された料理は、
枝魯枝魯の最も得意とする料理が並べられたのだという。


「正直、パリで枝國さんが一人でできる精一杯なんやと思う。」

「でも、僕がいても同じ物を出したと思いますよ。」

「Paris ならではの枝魯枝魯の味はこれからですね。」

松本はそう口にした。


この日、松本は枝國に対して、

「孤軍奮闘して下さい。」

と、ケータイからメールしたそうだ。

京都の枝魯枝魯を預かる松本が不意に選んだ言葉は、
「間違いではなかった」ということが、
彼の表情から読み取れた。

それは、僕が Paris で目にした、
カウンターの中で一人で仕事をこなし続ける枝國の姿を、
松本も容易に想像できるかのようだった。



******


あの日、食事を美味しく頂きながらも、
そのあまりの忙しさに、正直ただならぬ思いをしたのも事実だ。

オープン日の18日はもちろん、
翌日の19日についても、何ヶ月もオープンを心待ちにした客で、
Paris の枝魯枝魯のカウンターは埋め尽くされていた。

しかし、
カウンターで料理を振る舞うのは枝國一人、
スタッフも二年前まで京都で働いていた Youlin が一人、
後は、経験のないバイトの女の子が二人という状況だ。

オペレーションもままならぬ、、、というのが、
Paris 店の立ち上げ時の偽りのない枝魯枝魯の姿。

料理はまだしも、
器やグラスのレイアウトや配置をはじめ、
スタッフの制服や仕入れの段取りなど、
まだまだ解決すべき課題はいくつもあるように見受けられた。

とはいえ、オープンすれば、
連日30人近くの客が枝魯枝魯に訪れる。

オペレーションは食い違う、
ドリンクが揃っていない、
枝國の中にはやり場のないイライラが募るだろう。


昨夜、取材に訪れた時に感じた、
やりきったという清々しい笑顔だなと感じたのは、
誤りであったかもしれない。

「体力との勝負でもありますよね。」

20時間前には違和感のあった言葉が、
今にして納得できる。


しかし、冷静に初めて訪れた客として、
この時の枝魯枝魯を評価するとすれば、
正直、あまり点数は高くない。

これが、割烹ならなおさらであろう。

枝國だから、枝魯枝魯だから、くずし割烹だから、
許されることがあるのだろうか?

もちろん、訪れた客がそれぞれに判断することではあるが、
自分もまた、一人の客として訪れたことを忘れてはいなかった。

「くずし割烹」とは、本来何を目指すものであったのか。

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